機能異常を引き起こす“免荷”
こんにちは^_^
広島でアスリートの夢と挑戦をサポートするトレーナー枡川です。
スポーツ選手のケガ予防とパフォーマンス向上に必要な事をお伝えしております。
今回は
インナーユニットの機能異常を引き起こす要素のひとつ
“免荷(体重負荷の減少)”について書いていきます。
機能異常を引き起こす3つの要素
インナーユニットはコア(体幹)の中でも重要なところ。
なんですが、このインナーユニットが機能異常を起こしてしまうと、様々なトラブルを引き起こしてしまうという事でした。
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機能異常のパターンを簡単にまとめると
・脳の制御がうまくいっていなくて機能異常を引き起こす
・筋肉そのものに問題が起こる
・機能不全
横隔膜に関しては胸郭(胸エリア)の可動性がポイントとなります。
そして、この機能異常を引き起こしてしまう要素は
・免荷(体重負荷の減少)
・損傷
・疼痛(痛み)
この3つという事でした。
免荷(体重負荷の減少)
免荷(めんか)というのは
荷重を免れると書く通り、荷重をかけない事です。
足を怪我したときなどに器具などをつかい、負傷個所に体重がかからないようにしたり、歩行訓練の時に体を支えてかかる負荷を軽減させたりしますよね。
この免荷が、一体なぜインナーユニットの機能異常を引き起こしてしまうのでしょうか?
免荷の状態
免荷の状態は
・体重負荷の低下
・負荷に対する感覚情報の低下
このようなことが起こります。
先ほども書いた通り、機能異常のパターンは
・脳の制御がうまくいっていなくて機能異常を引き起こす
・筋肉そのものに問題が起こる
・機能不全
でしたよね。
という事は
・体重負荷の低下⇒筋肉へ影響
・負荷に対する感覚情報の低下⇒神経系(脳)への影響
こういう事ですよね。
ヒトのカラダは、その環境や状態に合わせて筋肉を適合させます。
この免荷の状態だと、
体にかかる負荷が減少するため、“抗重力筋”の機能低下や筋力低下を引き起こしてしまいます。
抗重力筋は、重力に対して体を支えてくれるために働く筋肉たちで、関節の保護などもしてくれます。
抗重力筋が機能異常・筋力低下を起こすと、不良姿勢や関節の痛みなどに繋がってしまうんです。
日常生活にひそむ免荷
『ケガとかせんかったら問題ないじゃん』
今までの説明だとこう思うかもしれません。
しかし、
実は日常生活の中でも“免荷の状態”ってとても多く潜んでいるんです。
その“免荷の状態”とは
【楽な姿勢】
このように、もたれてダラっとさせたような姿勢ですね。
この時、インナーユニットや抗重力筋をあまりつかわなくてすむ“免荷の状態”となっています。
寝たきりの方や、宇宙飛行士など環境などによっても“免荷の状態”となります。
骨折が治ってギプスを外した時、筋肉がすごく落ちていますよね?
宇宙飛行士って、地球に帰還した際は一人で歩くのも難しい状態になっていますよね?
重力をうけない状態・環境にあると、体はすぐに適応してしまい、インナーユニットや抗重力筋の働きが悪くなり、機能低下を起こしてしまうんです。
宇宙飛行士さんは無重力空間にいるので、重力に対して体を支える抗重力筋を使う必要がなく、その筋肉たちが機能低下をおこすんですね。
わかりやすく説明するために宇宙飛行士さんを例にあげましたが、
この便利社会の現代。ヒトが楽できるアイテムで溢れています。
免荷があたえる影響
免荷によって起こる大きな機能異常のひとつに
“筋萎縮”があります。
簡単に言うと
“筋肉がやせてしまう”ということ。
骨折あけに筋肉が細くなっていると書きましたが、
まさしくそういう状態です。
これって、足や腕だけでなく
他の部分でも同じように起こるんです。
そんな状態が長く続くと、筋肉の長さもかわります。
猫背や反り腰などの不良姿勢はこれが原因です。
楽な姿勢を取り続けることで、本来働くべき筋肉たちが働かなくなり、理想的な状態で体を支えることができなくなってしまうんです。
まとめ
“免荷”というと難しく感じますが、
現代のように、体が楽し放題な生活様式によって、体の機能が低下してしまいますよ。
という事です。
こう考えると
“免荷”に対する予防・改善方法がわかりますね。
“自重エクササイズで抗重力筋に負荷・刺激をあたえる”
そして、脳に対しても荷重情報を入れていきたいので
“エクササイズやトレーニングに不安定性を加える”
という事もやっていきたいですね。
関節や筋・腱には“固有受容器”というセンサーのようなものがあり、そこに刺激を入れるには“不安定性”というのがポイントとなるんです。
いきなり不安定な状況にチャレンジではなく、まずはちゃんと体を支えるためのエクササイズをしてからですが。
こういったエクササイズ・トレーニングをしていく事が機能改善に有効で、それが姿勢改善、不調改善に繋がります。
そして良い姿勢で安定するという事は、パフォーマンスにもつながるという事ですね。
だから体幹トレーニングなど最近とても流行っているんですね。
しかし、ちゃんと身体の仕組みなどを理解し、カタチだけのトレーニングにならないようにしていきましょう。